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「260店舗閉店」100円ローソンが犯した出店戦略のミス [流通業]

1月29日コンビニエンスストア大手のローソンが、100円の商品を
メインで扱う「ローソンストア100」の直営店200店を閉鎖する、
方針を明らかにした。
合わせて他のローソンストア100店のうち60店とローソンマート
全39店を、通常のコンビニエンスストアやドラッグストアを
併設した高収益性店舗へ転換することが分かった。

もともとローソンストア100はローソンが自社で独自に始めた
事業ではなく、2008年に九九プラスが運営する99円ショップの
「SHOP99」の完全子会社化にともない、「ローソンストア100」に
転換・統合し出店を進めてきた業態だ。
これまでバリューラインという税込み108円均一の低価格な
ローソンのプライベートブランドを積極的に販売する等、
低価格商品を押し進めてきた。

デフレによる低価格志向の消費者に受け入れられ、
ローソンストア100は最盛期には1,100店舗近い出店を果たした。
しかし近年では既存店売上高が前年を下回り続けるなど、
苦しい台所事情となっていた。

一方ローソンマートは、提携農場で栽培した生鮮食品を積極的に
扱う等、コンビニとスーパーの良さを併せ持つ店舗として、
2014年2月にスタート。
現在では39店舗を展開するほどになったが、前年比16%の減を
見込むなど業績は低迷している。

■立ち位置が曖昧で、顧客に良さを十分に訴求できていない

 ローソンストア100とローソンマートは、ともに立地条件が悪い
地域への出店が多い。
とくにローソンマートは、当初は住宅地など近隣にスーパーが
ない地域を中心に、3年で500店を出店するという計画さえあった。
しかし立地条件が悪いため、業績も思ったより振るわず、
わずか1年で事業転換を迫られた格好だ。

ただし、立地条件だけが原因ではない。
ローソンストア100とローソンマートは、立ち位置が曖昧過ぎた。
ローソンストア100は、コンビニほど品揃えやサービスが良い
わけでもなく、100円均一のように商品が豊富でもない。
ローソンマートもスーパーほど品揃えがいいわけでもなく、
価格的にも低価格商品を扱う小型スーパーには勝ち目がなかった。
地域にこの店しかないのであればともかく、ちょっと足を運べば
品揃え豊富なスーパーがある場合は、どうしても客足はそちらに
向かいがちになる。

一方、イオンが展開する「まいばすけっと」は、店構えは
コンビニのようだが中味は食品スーパーを凝縮したような
品揃えを展開。
100円のような均一価格ではないが、99円や88円といった低価格で
生鮮食品を取り扱い、全国で600店舗近く出店する等、
勢いが止まらない。
またスーパーのマルエツが運営する、食料品メインで24時間営業
「マルエツプチ」も店舗を積極的に展開しており、
こうした小型スーパーともいうべき店舗は、とくに都市部を中心に
顧客は確実に流れている。

■本業回帰とM&Aのバランスが勝負の分かれ目
ローソン全体の業績は悪くはないが、他のコンビニと同様に既存店の
業績は芳しくない。
ただし買収した高級スーパーの成城石井や、医薬品を扱うコンビニ、
原材料や食品添加物にこだわったナチュラルローソンは好調だ。
とくに医薬品を扱うコンビニの業績がよく、ドラッグストア大手の
ツルハホールディングスと提携したことで、
今後3年で医薬品を扱うコンビニを100店舗出す計画だという。
登録販売者の資格が必要ではあるが、他のコンビニも同様に
医薬品を扱う店舗を増やすことが予想される。
コンビニとしての本業を固めるなかで、成城石井を買収したように
M&Aに資金を振り向けていくか、つまり本業回帰とM&Aをどう
バランスしていくか、それが勝負の分かれ目の年となりそうだ。





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