ダイエ-消滅。イオン一色 [ニュ-ス]
日本の「流通革命」の象徴だったダイエーの屋号が消える。
業界最大手のイオンの完全子会社となり、平成30年度までにイオン系の
スーパーになる見通しだ。
業界の盟主とうたわれながら凋落(ちょうらく)したダイエーと、
そのダイエーに一時押されるも積極的な拡大路線でトップに躍り出たイオン…。
業界の栄枯盛衰をまざまざと見せつけられた思いだ。
昭和32年に創業したダイエーは安売りスーパーを増やす戦略で規模を拡大。
高度経済成長期の地価上昇が生んだ含み益をテコに手当たり次第に多角化を進め、
瞬く間に盟主の座をつかんだ。
一方、イオンの前身のジャスコはダイエーとの安売り競争に敗北。
都市部で勢力を増すダイエーに隠れるように郊外で雌伏の時を過ごした。
ところがバブル崩壊で風向きは一変し、ダイエーの不動産は逆に含み損に
つながった。イオンは郊外型のショッピングセンターを押し広げ、
手ごろな価格の商品展開で節約志向を強める消費者の心をつかんだ。
ダイエーは残された巨額の債務と低収益の事業に苦しみ、
産業再生機構(平成19年に清算)の支援を経て18年から丸紅が
再建に乗り出した。翌19年には業界の牽引役となっていた
イオンが丸紅、ダイエーと資本提携。
25年にはイオンがダイエーの筆頭株主となり再建を主導することになった。
「ダイエー社員には『イオンに負けたと認めたくない』とのプライドがある」
ことが影響してか、再建は進まなかった。完全子会社化にはイオン流を
たたき込もうというイオンの本気度がうかがえる。
とはいえ、そのイオン流が不振だ。
主力の総合スーパーが足を引っ張り、イオンの26年8月中間連結決算の
最終利益は前年同期比91・4%減。これに対しライバルの
セブン&アイ・ホールディングスはコンビニエンスストアが好調で、
最終利益は0・7%増だ。
イオンは利益率の高いプライベートブランド(自主企画、PB)商品に
業界でも特に注力。だが、「規模に頼った感が否めず、商品開発力は
コンビニで培ったセブン&アイに比べ見劣りする」との
指摘もある。
PBの先駆けはダイエーだ。
規模を武器にメーカーから価格決定権を奪い、PBを中心に価格破壊を進めた。
そんなダイエーとイオンには重なる部分があるとの声も聞かれ、
危うさをはらんでいる。
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業界最大手のイオンの完全子会社となり、平成30年度までにイオン系の
スーパーになる見通しだ。
業界の盟主とうたわれながら凋落(ちょうらく)したダイエーと、
そのダイエーに一時押されるも積極的な拡大路線でトップに躍り出たイオン…。
業界の栄枯盛衰をまざまざと見せつけられた思いだ。
昭和32年に創業したダイエーは安売りスーパーを増やす戦略で規模を拡大。
高度経済成長期の地価上昇が生んだ含み益をテコに手当たり次第に多角化を進め、
瞬く間に盟主の座をつかんだ。
一方、イオンの前身のジャスコはダイエーとの安売り競争に敗北。
都市部で勢力を増すダイエーに隠れるように郊外で雌伏の時を過ごした。
ところがバブル崩壊で風向きは一変し、ダイエーの不動産は逆に含み損に
つながった。イオンは郊外型のショッピングセンターを押し広げ、
手ごろな価格の商品展開で節約志向を強める消費者の心をつかんだ。
ダイエーは残された巨額の債務と低収益の事業に苦しみ、
産業再生機構(平成19年に清算)の支援を経て18年から丸紅が
再建に乗り出した。翌19年には業界の牽引役となっていた
イオンが丸紅、ダイエーと資本提携。
25年にはイオンがダイエーの筆頭株主となり再建を主導することになった。
「ダイエー社員には『イオンに負けたと認めたくない』とのプライドがある」
ことが影響してか、再建は進まなかった。完全子会社化にはイオン流を
たたき込もうというイオンの本気度がうかがえる。
とはいえ、そのイオン流が不振だ。
主力の総合スーパーが足を引っ張り、イオンの26年8月中間連結決算の
最終利益は前年同期比91・4%減。これに対しライバルの
セブン&アイ・ホールディングスはコンビニエンスストアが好調で、
最終利益は0・7%増だ。
イオンは利益率の高いプライベートブランド(自主企画、PB)商品に
業界でも特に注力。だが、「規模に頼った感が否めず、商品開発力は
コンビニで培ったセブン&アイに比べ見劣りする」との
指摘もある。
PBの先駆けはダイエーだ。
規模を武器にメーカーから価格決定権を奪い、PBを中心に価格破壊を進めた。
そんなダイエーとイオンには重なる部分があるとの声も聞かれ、
危うさをはらんでいる。
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